インプラントの基礎知識

スプリットクレスト

 

「スプリットクレスト」というのは、インプラントを入れる骨の高さはあるのに、水平的な骨の幅が少ないときに使う治療法です。インプラントをあごの骨に埋め込むには最低でも5mmくらい骨の幅が必要になります。そのため歯の喪失や歯周病などによって必要量よりも骨が痩せてしまっているときには、インプラントの埋め込みが難しくなってしまうのです。こうした場合、骨を増やす治療をするのですが骨の幅が不足しているときに使われる治療法として「スプリットクレスト」があるのです。

 

 

インプラントを入れる予定部位の骨の頂上付近にクサビ形をした特殊な器具を挿入します。器具で二分割をして骨を広げてそこにできた隙間へインプラントを埋め込んでいくという方法です。骨とインプラントの間には骨補填剤を入れて骨を再生します。およそ3ヶ月から4ヶ月で広げた骨が固まって、咬むことに耐えられるようになります。

 

 

スプリットクレストによるメリットは、インプラントの本体を骨で囲むことができるため安定感があること。骨を増やす治療よりも外科的侵襲が少ないことなどがあります。注意点としては、骨の中に骨髄があることを前提とした治療法であることを知っておいてください。最低でも3mm程度は骨の幅があった方がいいこと。骨質が硬すぎると骨が骨折してしまうのでこの治療法は難しいことなどが挙げられます。ですからこの治療法は上あごに適しています。下あごは骨が硬くて二分割して広げにくいからです。